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QandA

日頃、作業を行っている時に目に付く表記や、お客様から製作依頼を受けた図面に書かれている注記など、不明な点について調べた内容を掲示しました。

目次


1. 図面で表記されている長さや直径などを表す記号

当社で扱う図面の中で使用されている長さや直径などを表す記号は、ほぼ一般的な図面の表記に習っています。

長さ:length 例.L=5500
幅 :width例.W=250
厚さ:thick例.CPL4.5t t=16
高さ:height例.H=1500 h=2500
半径:radius例.130R R=80
直径:diamater例.D350 D=260
ボルトゲージ:gauge(山形鋼や溝形鋼の90度コーナーからの位置)
例.L6x50x50 g=30 5x50x100 G=50
面取り(隅切り):chamfer例.C200(角から200mmを結んだ三角部分)

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2. 溶融亜鉛めっきとコンクリートの付着特性について

以前から当社が関係している現場では、コンクリートに鋼材を埋め込む場合、鋼材に亜鉛めっきを施すとコンクリートの付着が良くない−といわれていましたが必ずしもそうではないようです。

JGA日本溶融亜鉛鍍金協会HP Q & A No.34(日本鉱業協会発行「鉛と亜鉛」誌2003年1月号)を要約すると、平鋼や山形鋼など比較的形状が単純なものは、素材のままの鋼材より溶融亜鉛めっきを施した鋼材のほうがコンクリートの付着が良く、H鋼などの複雑な形状のものは、素材のままとほぼ同等です。

アンカーボルトの様にコンクリートに埋め込む鋼材は、現在埋め込む部分については溶融亜鉛めっきを施さない現場があるようですが、実際はすべて溶融亜鉛めっきを施すほうが良いです。

詳細は、JGA日本溶融亜鉛鍍金協会 Q & A No.34を参照してください。

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3. 図面の注記に記述されているJIS規格:JIS H 9124 及び JIS H 8641

「JIS H 9124」 — 溶融亜鉛めっき作業指針を示した規格

・素材、前処理、フラックス処理、めっき、めっき不良品の処理、後処理についての方針です。

「JIS H 8641」 — 溶融亜鉛めっきそのものの規格

・種類、品質、試験、検査について明記してあります。

以下は付着量についての表です。→ JIS規格引用(硫酸銅試験回数欄は省略。)

種類 記号 付着量 g/m2 適用例(参考)
1種 HDZ A 厚さ5mm以下の鋼材・鋼製品,鋼管類,直径12mm以下のボルト・ナット及び厚さ2.3mmを越える座金類。
HDZ B 厚さ5mmを超える鋼材・鋼製品,鋼管類及び鋳鍛造品類。
2種 HDZ 35 350以上 厚さ1mm以上2mm以下の鋼材・鋼製品,直径12mm以上のボルト・ナット及び厚さ2.3mmを超える座金類。
HDZ 40 400以上 厚さ2mmを超え3mm以下の鋼材・鋼製品及び鋳鍛造品類。
HDZ 45 450以上 厚さ3mmを超え5mm以下の鋼材・鋼製品及び鋳鍛造品類。
HDZ 50 500以上 厚さ5mmを超えるの鋼材・鋼製品及び鋳鍛造品類。
HDZ 55 550以上 過酷な腐食環境下で使用される鋼材・鋼製品及び鋳鍛造品類。

備考

  1. 表中,適用例の欄で示す厚さ及び直径は、呼称寸法による。
  2. 過酷な腐食環境とは,海塩粒子濃度の高い海岸,融雪剤の散布される地域などをいう。
  3. HDZ55のめっきを要求されるものは、素材の厚さ3.2mm以上であることが望ましい。(3.2mm未満の場合は、事前に受渡当事者間で協議する。)

上記表の備考3.で記述されているHDZ55のめっきは、厚み3.2mm未満ではめっき後の製品の変形が激しく無理の様です。→それ専門でやっているめっき工場でなら可能かも知れません。

また、当社で製作する鋼板を多く用いる溶融亜鉛めっき製品は、めっき工場(当社使用)の設備の関係で厚み3.2mm未満の鋼板はめっきでの変形が激しく、溶融亜鉛めっき仕上げは行う事が出来ません。

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4. 冷間圧延鋼板(SPC材)及び熱間圧延鋼板(SPH材)

「冷間圧延鋼板(SPC材)」⇒ 常温に近い温度で圧延された板金用材料の代表的鋼材。適用厚は0.4mm〜3.2mmです。

「熱間圧延鋼板(SPH材)」⇒ 高温で圧延された材料で、板厚があります。

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5. 亜鉛めっき製品の表面にできる白い模様(通称:「白さび」)

雨や結露などで発生した、かさばった亜鉛酸化物が「白さび」です。

亜鉛めっき製品の表面に白墨の粉が付着している様に見えます。

亜鉛めっき製品を屋外で雨や結露の環境で重ねて放置すると、製品と製品の間に水分が残り、その部分にひどく発生します。

白さびは発生環境から開放されると次第に消滅しますので、屋外に設置した亜鉛めっき製品であれば、自然に消滅します。

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6. 亜鉛めっき製品の光沢が灰色にかわる訳

亜鉛めっきは亜鉛酸化皮膜によって耐食性を引き出していますが、めっき直後の亜鉛酸化皮膜は非常に薄い為、亜鉛酸化皮膜の下にある亜鉛の光沢が見えやすい状態になっています。

これが酸化が進むにつれて厚みを増し、光を通さなくなった状態が灰色になる訳です。

水気の無い室内にある亜鉛めっき製品は、酸化の進みが遅いため屋外に比べて光沢の保ちが良いです。

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7. 締付形接地端子金具の溝の見方

接地端子の溝のサイズは、当社で多く取り扱うのが次の3種類です。

接地端子
  • 22 スケア   5 x 5 mm の溝
  • 60 スケア   8 x 8 mm の溝
  • 100スケア   10 x 10 mm の溝

溝のサイズは次の様に計算します。

スケアとは、スクエア(四角形)から来ている様で、数値は面積を表します。

22スケアの場合、22の平方根が約4.69なので約5mmとして 5 x 5 mm の溝。

60スケアの場合、60の平方根が約7.75なので約8mmとして 8 x 8 mm の溝。

150スケアならば、150の平方根が12.25なので約12mmとして 12 x 12 の溝という事になります。

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8. 図面の注記に記述されている渦電流防止とは?

直流電流の様に一方向に電流が流れると、電流の進行方向を中心に右回りの磁界が生じます。(右ねじの法則)

電流が流れるケーブルの周囲を鉄などの導体で囲うと、囲った導体に磁束が貫通し導体内に渦状の電流が発生します。これを渦電流といいます。

ケーブルを囲った導体に渦電流が発生する事によって導体に熱が発生します。(IH調理器の原理)

渦電流防止とは、導体に発生する熱の防止という事です。

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9. 塗装色の指定に使用されている「5Y7/1」や「7.5BG7/2」などの記号の意味

図面の注記に見かける塗装色の「5Y7/1」や「7.5BG7/2」などの記号は「マンセル値」といいます。

マンセル値は、色相 明度/彩度で色を表現しています。

色相=色味 → 赤色:R 緑色:G 青色:B 黄色:Y 紫色:P

明度=色の明るさ → 数値が10に近いほど明るい色、0に近いほど暗い色

彩度=色の鮮やかさ → 無彩色を彩度0とし数値が増えるほど鮮やかな色

[表示例]

  • 無彩色の場合(モノクロ) → 明度の前にN(ニュートラル)を付けて表示
  • 有彩色の場合 → 5Y  7/1  色相(H) 明度(V) 彩度(C)

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